2008年12月01日

紫外線とインド風水ヴァーストゥ(6)

 今回は紫外線とビタミンDの関係についてです。

 本来ビタミンとは、体には欠かすことができない栄養素で、食物からしか得ることのできない微量物質のことを指していました。ところがビタミンDは自分の体の中で合成することができます。体の中でビタミンDが合成される場所は皮膚であり、そして合成には紫外線の助けが必要となります

 ビタミンDの主な働きはカルシウム代謝の調整です。体内のカルシウム環境は消化管、骨、腎臓の働きによって保たれていますが、ビタミンDはこれら3つの臓器に働く重要なビタミンです。食物から摂取したり、皮膚で合成されたりしたビタミンDはそのままでは働くことができません。肝臓と腎臓で「活性化」されてはじめて効果を発揮します。

 カルシウム摂取不足やビタミンD不足になると、骨から溶け出すカルシウムの増加などにより、カルシウム蓄積が減少して骨が弱くなり、骨折の危険性も増します。骨粗鬆症の原因のひとつとも考えられています。最近では、ビタミンDは筋肉にも作用することによって高齢者の転倒予防にも役立つことが報告されています。また、妊婦さんにおけるビタミンD不足は赤ちゃんの骨の発育に影響を与え、ビタミンD不足の妊婦さんから生まれた赤ちゃんの将来の骨量が低くなることが報告されています。小児期においても、母乳栄養の赤ちゃんやアレルギーなどで食事制限をしている子供はビタミンD不足になりやすいといわれています。

 では、ビタミンDは一日どのくらい摂取しなければならないのでしょうか?「日本人の食事摂取基準(2005 年度版)」によると、年齢にもよりますが、1日4 〜5 μgが目安量となっています。また妊娠中や授乳中の女性はこの1.5 倍が勧められています。ただし、カルシウム代謝の面から調査した場合、少なくとも中高年女性の半数近くがビタミンD不足であることが報告されています。これらの点を踏まえて、骨粗鬆症の予防と治療に必要なビタミンDは一日あたり10 〜20 μg(400 〜800 国際単位)とされています。

 ビタミンDの摂取は、まず食事からが基本です。食品としてビタミンDを多く含むものは魚類ときのこ類です。これらのうちどれかが毎日の食事に含まれていれば、ビタミンD不足にはなりにくいと考えられます。

 しかしながら、実際はカルシウム代謝の点では食事から摂取するビタミンDだけでは不足気味です。やはり、日光による合成もうまく利用することが必要です。皮膚で作られたビタミンDはビタミンDの運び役(ビタミンD結合蛋白質)によってすぐに運ばれるため、消化管から吸収されるビタミンDよりも体の中で使われやすいと考えられています。

 とはいっても日焼けをするほどの「日光浴」が必要なのではなく、日本が位置する緯度を考えると、両手の甲くらいの面積が15 分間日光にあたる程度、または日陰で30 分間くらい過ごす程度で、食品から平均的に摂取されるビタミンDとあわせて十分なビタミンDが供給されるものと思われます。介護の必要な高齢者や妊婦さん、授乳中の女性などでは屋外に出る時間をもうけることや、屋内においてもガラスを通さない日光にあたる時間をもうけることが望まれます。

 要するにインド風水ヴァースツで重視する朝の日光を浴びる程度でビタミンDを合成するのに十分なのです。それ以上は、健康や美容への悪影響が非常に大きいというのは先述のとおりです。


 この続きは次回にて。日本のインド風水ヴァーストゥ研究のパイオニアとしてインド風水ヴァーストゥに関する情報をニュートラルにご紹介しています。こちらのHPもご覧ください。

(参考文献)
“紫外線環境保健マニュアル”, 環境省境保健部環境安全課, 2008年6月
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