2008年11月30日

紫外線とインド風水ヴァーストゥ(5)

 紫外線による健康影響についてもう少し詳しく見ていきましょう。まずは紫外線の皮膚への影響です。

 皮膚は表皮と真皮から出来ています。表皮は皮膚の最も外側にあり、角化細胞が90%以上を占めています。そのほかメラニン色素を作る色素細胞と免疫機能を司る細胞も表皮内にあります。真皮は膠原線維(コラーゲン)が主で皮膚の丈夫さを保ち、弾性線維は皮膚の張りを保ちます。

 皮膚には紫外線から身を守る仕組みが備わっています。最も強力な光線防御は色素細胞が作るメラニン色素です。メラニンは紫外線、可視光線、赤外線を吸収して、DNAへのダメージを少なくします。

 人間の皮膚の色はさまざまです。それは黒褐色のメラニン色素のためで、メラニンが多いほど肌の色は黒くなり、紫外線に対して抵抗性があります。白人では紫外線を浴びても赤くなるだけで、あまり褐色になりません。日本人は赤くなるとその後数日して褐色になります。日本人でも色白で、日光にあたると赤くなりやすくて、黒くなりにくい人は紫外線対策が必要です。また、肌の色が黒い方が紫外線に対して抵抗力があるからといって、むやみに日焼けすることは良くありません。

 地表にいる我々が浴びる紫外線のうち、皮膚や目に有害なUV-Bは量は少ないのですが、皮膚の細胞のDNAに傷をつけてしまいます。皮膚の細胞にはこのDNAの傷を切り取って正しいDNAに戻す仕組みが備わっています。しかし、DNAの傷害が度重なると、直し間違いが起こり、誤った遺伝情報(突然変異)が生じることがあり、それが皮膚がんの原因になると考えられています。

 我々は子供のうちに大量の紫外線を浴びていると考えられます。その影響は何十年もたってから現れてきます。子供のうちから紫外線を浴びすぎないよう、帽子、衣類、日焼け止めなどによる紫外線防御を心掛けることが大切です。

 紫外線の皮膚への影響は、太陽にあたってすぐにみられる急性傷害と、長年にわたってあたり続けて現れる慢性傷害に分けて考えることができます。慢性傷害については、長年日光を浴び続けていると、皮膚のシミやしわ、ときには良性、悪性の腫瘍が現れてきます。お年寄りの顔や手の甲に見られるこれらの変化は、一般に加齢による老化と思われがちですが、実は紫外線による慢性傷害の結果であり、光老化は加齢による自然の老化とは異なり、適切な紫外線防御対策により防ぐことができるものです。

 紫外線に関連してできる皮膚の腫瘍には良性のもの(脂漏性角化症)と悪性のもの(皮膚がん)があります。UV-Bのばく露と関連することが知られている皮膚がんとしては、前がん症である日光角化症と有棘細胞がんがあります。日光角化症の段階で治療すれば生命に関わることはありませんが、治療しないとより悪性化し、転移すれば生命に関わります(ただ、統計的には日本は韓国やタイと並んで、世界で最も皮膚がんの少ない国です)。

 つぎに紫外線の眼への影響を見ていきます。

 紫外線ばく露による眼への影響については、急性の紫外線角膜炎と慢性の翼状片、白内障が知られています。

 翼状片は、眼球結膜(白目)が翼状に角膜(黒目)に侵入する線維性の増殖組織で、瞳孔近くまで進展すると視力障害をきたします。通常は30 歳代以降に発症し、進行は早くありません。農業、漁業従事者など戸外での活動時間が長い人に多発し、紫外線ばく露を含めた外的刺激がその発症に関係すると考えられています。治療は外科的な切除を行いますが、2〜7%の人は再発し再手術が必要になります。

 白内障は、眼科疾患の中で最も多い病気のひとつで、眼のなかでレンズの役割を担う水晶体が濁るため、網膜まで光が届かなくなり見え方の質が低下してきます。初期には水晶体が硬くなるため老眼が進行し、濁りが強くなると視力が低下し、進行すると失明に至ります。白内障は80以上のタイプがあるといわれていますが、加齢により発症する白内障には3つの代表的なタイプがあり、それぞれ原因や見え方への影響も異なります。日本人で最も多く見られる皮質白内障というタイプでは、紫外線との関係が知られています。治療は混濁した水晶体を眼内レンズと置換する手術が行われます。


 この続きは次回にて。日本のインド風水ヴァーストゥ研究のパイオニアとしてインド風水ヴァーストゥに関する情報をニュートラルにご紹介しています。こちらのHPもご覧ください。

(参考文献)
“紫外線環境保健マニュアル”, 環境省境保健部環境安全課, 2008年6月
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